中山間

闇に浮かぶ池と森 北川村「モネの庭」でナイトキャンバス

開園25年を迎えた高知県北川村の「モネの庭」で土日祝日の夜に今季のフィナーレを飾る「ナイトキャンバス」が開かれている。開催日は12月7日までの土日祝日で、毎回午後5時∼午後8時半。「モネの庭」は12月から冬期休園に入るが、12月6、7日のナイトキャンバスは開催される。(依光隆明)

「モネの庭」の位置関係。太平洋から約3㌔。眺望のいい丘にある=Google Earthより

クロード・モネの庭を日本に

モネの庭はフランス印象派の巨匠、クロード・モネ(1840~1926)が着想の源泉とした庭園。パリ西方のジヴェルニーにあり、モネは半生をここで過ごした。庭園はモネ自身が造園し、特に睡蓮(すいれん)の池はモネが好んで絵画に取り入れた。

この「モネの庭」が北川村にできるきっかけは、北川村の働きかけだった。バブル末期、北川村はユズワイナリーの誘致を目指して挫折。目標をフラワーガーデンへと転換し、リサーチを続ける中でモネの庭を知る。モネが半生を過ごしたフランス・ジヴェルニーに担当者を派遣したのが1996年。熱意を込めて交渉し、クロードモネ財団からモネの庭を日本に造るお墨付きを得た。財団側の指導で村の入り口にある丘陵に「モネの庭」を造園する。

オープンは2000年4月。モネの世界そのままの「睡蓮の池」や季節の花々が人気となり、2023年には入園者が200万人を突破している。

ライトがついた直後の「睡蓮の咲く池」。まだほんのり明るい=北川村野友、2025年11月7日午後5時15分

急速に日が沈んでいく。水面で揺らめくろうそくの炎が幻想的=2025年11月7日午後5時20分

どっぷりと日が暮れた。ライトアップされた木々が生き物のように水面に映る=2025年11月7日午後5時27分

揺らめくろうそく、彩るライト

ナイトキャンバスは2021年にスタートしたイベント。揺らめくろうそくと彩り豊かなライトを使ってモネの庭を幻想的に演出する。

夕日の中でろうそくに火をともし、残照が残る午後5時15分にライトのスイッチを入れる。暗闇が迫るにつれ、辺りを幻想的な雰囲気が包む。ライトの光から外れると、そこは漆黒。闇にうっすらと浮かぶ木々や池に反射する枝や葉が生き物のように見える。

「森の結婚式」の雰囲気を光が演出

森の中、光の結婚式

ことしのテーマはフォレストウエディング。森の中にろうそくの明かりで結婚式の雰囲気を作り出している。

ナイトキャンバスの入場料は大人1500円、小中学生500円。雨天中止で、その場合は前日に「モネの庭」ホームページで告知の予定。11月30日は午後7時から5分間の「冬花火」も予定している。

モネの庭は12月1日から冬期休園に入り(12月6日、7日のナイトキャンバスは除く)、2026年3月1日から開館する。

森や竹林がさまざまな色に染められている

ろうそくの炎が水面に揺らめく

森の木々も、少しの光で生命感を宿す

工夫を凝らしたライトが昼間とは全く違う空間を演出している

森の中にしつらえた光の結婚式場。ここで写真を撮る人も多い

揺らめくろうそくと控えめな色に映える木々。そこここで「きれい!」と歓声が上がっていた

(C)News Kochi(ニュース高知)

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